INTERVIEW

#02

家族の伝統と共に、次の世代へと引き継いでいける家を

SPEC

建築場所
栃木県
家族構成
ご夫婦二人+お子様三人+お母様

リフォームから建替えに変更
憧れの平屋住宅へ

先祖代々受け継いでこられた神社で、神主を務めておられるH様。歴史ある神社と地続きになったH様邸は、新築ながら風格と威厳を感じさせる佇まいです。

60年以上の歴史があったご自宅。元々はリフォームをお考えでしたが実際に見積りを出してもらうと、かなりの費用がかかることが分かりました。「これだけお金をかけるのなら、思い切って今の家を取り壊して新しく建て直そう」。こうしてH様ご夫婦の間で家づくりの意思が固まったのです。

広々とした平屋への憧れがあったというH様ご夫婦。「土地は十分にあるから、せっかくなら平屋を建てたいねと話していました」。そして、平屋づくりの実績がある会社を中心に5社ほど回られたという旦那様。その中でランド・フォレストを選ばれた理由をお聞きすると、「最初に興味を持ったのは『平屋ファクトリー』というブランド名でした。ブランドの冠にするくらいなので平屋の実績がたくさんあるんだろうなと(笑)。最終的には、営業の方のおおらかな人柄と、無垢材を使った美しい和モダンのデザインが決めてです」とのこと。

図面を介したやり取りは、まるで担当者との交換日記

ランド・フォレストの家づくりの特徴でもある「手描き図面」。H様邸の打ち合わせは、絵がお得意な奥様が隅々まで希望を描き込んだ、渾身の図面を囲んで進んでいきました。「私が図面を描いていって、それに対して担当者さんから意見や提案をもらうことの繰り返し。まるで交換日記みたいでしたね」と、奥様はほがらかに笑っていらっしゃいました。「各部屋のペンダントライトや、収納の付いたスタディスペースなど、すべて妻のアイデアです」。ご夫婦それぞれにこだわりたいところを大切にしようというスタンスで打ち合わせは進みました。優しいグレーの色調で揃えつつも、表面の質感や明るさのトーンに微妙な違いを加えた壁紙も奥様のアイデア。お部屋によって少しずつ空間のニュアンスが変わるように計算されるなど、細部にまでこだわりが感じられます。

小物を飾るのが好きな奥様がコーディネートされた素敵なインテリア。

H様邸の打ち合わせの期間は5か月程。H様はお仕事が忙しいなかでも「打ち合わせは楽しさが大変さを上回っていましたね」とのこと。お仕事の関係上なかなかお休みがとれないため、大半はご自宅に訪問してのお打ち合わせでした。「出来上がりが楽しみで楽しみで、毎日施工の様子を見に行っていました」。

当初のことを思い出しながら旦那様はこう言います。「完成した家を見渡して改めて驚くのが、あのとき妻が描いた図面と実際の家にほとんど違いが無いことなんです。私たちの頭の中のイメージをしっかりと具現化してくれて、やっぱりプロの仕事だなと感動しました」。入念な打ち合わせの結果、お二人が始めに思い描いたとおりの仕上がりになったH様邸。「ランド・フォレストさんにお任せしてよかった、と心から思います」というお言葉をいただきました。

天井まで窓を設けたことで庭と一体になったような開放感のあるリビング。

奥様のアイデアが詰まったスタディスペース。

キッチンからの眺め。料理中もリビングの様子が分かります。

お客様への「おもてなし」の心を大切にした家づくり

H様邸に一歩足を踏み入れてまず驚くのが、昔ながらの日本の邸宅を思わせる広々とした玄関。大谷石を贅沢に用いた堂々たる構えです。「仕事柄、我が家は檀家さんなどのお客様をお迎えすることが多いんです。前の家も玄関は立派でしたから、そのイメージを損なわないようにこだわりました」。玄関の横には大きなシューズクローゼットがあり、家族の物をすぐ収納できるなど、お客様の目につかないよう工夫されています。

もう一つの特徴が神棚を備えた和室スペース。H様邸に来訪される方の多くは神棚に手を合わせたいと希望されるため設けました。また玄関に入ってすぐのモダンな客間も、H様邸ならではのこだわり。ご家族の生活空間と分けて、お客様が心地よく過ごせるスペースとして設計されています。

来客の方が利用する神棚のための和室。

和の趣を意識した客間。

来客の多いH様邸だからこそ、ご家族だけの時間も大切。ランド・フォレストがセカンドスペースとして提案したのはピアノのための部屋でした。以前保育士をされていた奥様がピアノを弾き、お子様たちがそれを取り囲むようにして歌ったり、踊ったり。大切な家族団らんのひとときをつくります。

エアコンがなくても暖かい、快適な我が家

H様の完成した家への感想は、冬場の暖かさに驚かされたこと。「前の家は冬になるとエアコン6台にヒーターも稼働させて、それでも指先が冷たいくらいだったんです。今ではリビングの大きなエアコン1台でしっかり暖かくなって、日が昇ってからはエアコンを切っても快適に過ごせます」。

一方の奥様は「平屋は生活動線がまとまっているため、家事が本当に楽ですね。家のどこにいても子供たちの気配が感じられるので安心感があります」とのこと。その視線の先には、リビングをトコトコと歩く末のお子様の姿がありました。

H様ご夫婦には8歳・6歳・2歳の3人のお子様がいらっしゃるため、お子様たちの成長も見据えて家づくりに取り組まれました。「家族の距離が近い平屋ですが、プライバシーが確保できるように寝室などの間取りは配慮してもらいました。娘たちの部屋も将来的に壁を入れて各自の個室にできるようにと考えています。娘たちが大きくなっても、家族みんなが心地よく過ごせる家にしたいですね」。

奥様が実際に生活する中で特に満足されているポイントは、ランドリールームのすぐ隣にファミリークローゼットがある、ぐるぐると周りながら家事をこなせる回遊動線。動線上に勝手口があって外に洗濯物を干しに行くこともでき、洗濯物を片付けるついでにお風呂の様子を覗くこともできます。

奥様のお気に入りの回遊動線の途中に洗面スペースを設置。

天気の良くない日などに役立つ室内干ができるランドリールーム。

新たに始まる、「受け継がれる家」の歴史

「開放的なリビングから視点がタイルデッキへと移っていき、庭とさらにその向こうの神社がある景色まで見渡せるところが気に入っています」と、話してくださった旦那様。お庭には古いヒバの木があり、神社からH様邸を見たときに程よい目隠しになっています。

ヒバの木の他にも、昔ながらのものが多く見られるH様邸周辺の景色。ご自宅へのアプローチの砂利道の縁には、実は古い家の瓦が使われています。「やはり以前の家にも愛着がありますし、古くても残せるものは残したいという思いがありました」。建ったばかりのH様邸が、神社を中心とした歴史ある景色にしっくりと馴染んでいるのは、古いものを大切にする心があればこそかもしれません。

暖かく広々とした家の中には、楽しそうに走り回る3人のお子様の姿。そんなお子様たちを見ながら、最後に旦那様はこうおっしゃいました。「息子の代になっても住み続けることができる、それだけの家ができたと思っています」。H様のその言葉には、ご自身も先々代からの家を引き継いでこられた重みがありました。この新しい家に舞台を変えて、H様のご家族の歴史はこの地でずっと続いていくことでしょう。